有責配偶者である女性からの離婚請求で、協議離婚を成立させた事例

依頼者:妻 30代 会社員
相手方:夫 30代 会社員
子ども:2人
争点:有責配偶者からの離婚請求の可否

経緯

 依頼者は相手方の親族と折り合いが悪く、結婚後すぐの時期から相手方の対応に不満を持っていました。依頼者は、ふとしたきっかけで知り合った男性と交際を始め、別居を始めて男性と暮らすようになりました。その男性とは別れ、別居を解消しましたが、2年間の同居後、依頼者が子供を連れて家を出て、再度、別居を開始しました。依頼者は、相手方との婚姻生活を続けることは出来ないと考えていましたが、相手方が離婚に応じないので、当事務所に相談に来られました。

対応

  判例では、有責配偶者からの離婚請求は原則として認められないことになっています。依頼者は以前、別居して別の男性と暮らしていましたし、2年しか経過していませんでしたから、有責配偶者であることは争うことは困難でした。他方で、依頼者と相手方は、不貞行為の後、2年間同居していました。そこで、今回の別居は不貞行為とは関係がないこと、2年間の同居時に、相手方は依頼者の不貞行為を許しているから有責配偶者ではないことを主張して、相手方と交渉を進めることにしました。
調停、裁判を行った場合、裁判官によっては有責配偶者からの離婚請求は認めないという判断をする裁判官もいますから、裁判所の利用は出来るだけ避けるという方針でした。
 相手方と、面談を数回行った後、相手方の要求は、面会交流を充実させることだと分かりました。他方で、依頼者は、子供たちを相手方に面会させることには抵抗を示していませんでした。
1年間の交渉の後、面会交流を充実させるのであれば離婚に合意するということ、養育費を月額6万円支払ってもらうということで条件がまとまり、公正証書を作成して、離婚が成立しました。

ポイント

 有責配偶者からの離婚請求は、破綻の状況や時期、子供の年齢、相手方に対するケアなど複雑な要素が問題になる上、裁判官によって対応がまちまちなので、裁判所を積極的に利用できません。本人同士では感情的になって話し合いが成立しないことが多いので、代理人を立てて粘り強く交渉することが重要です。

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