公務員の離婚
公務員の離婚
特徴
公務員と言っても、国家公務員、地方公務員、裁判所職員から、自衛官などの特別国家公務員まで種類は様々です。また、職種によって給与額や退職金等は大きく異なります。
しかし、公務員は、一般に、地位や収入が安定しているなど、民間企業の会社員と異なった共通の特徴があります。そこで、慰謝料、養育費、財産分与などについて公務員と合意した場合、現実に回収出来る可能性が高いといえます。
また、地位や収入が安定していることから、退職金や年金額が多い場合があります。
気をつけるべき点
① 将来の退職金
共済貯金は、各種公務員共済組合が運用している貯金です。一般的に給料から天引きされる形で積み立てられますが、防衛省共済組合貯金のように、普通貯金、定額積立貯金、定期貯金の貯金を実施している団体もあります。
例えば、広島県市町村職員共済組合の退職積立貯金は平成27年1月現在で金利が0.8%であるのに対し、同時期の銀行の普通預金がおおむね0.02%ですから、銀行に預けるよりも有利に資産運用ができます。
公務員との離婚では、財産分与の対象として、一般の預貯金の外に、共済貯金の有無を確認する必要があります。
② 共済年金
公務員の年金制度が共済年金です。一般企業の厚生年金に相当するのが共済年金です。
離婚にあたっては、共済年金の分割についても忘れずに検討する必要があります。
③ 将来の退職金
将来の退職金については、近い将来に受領できる可能性が高い場合に財産分与の対象に出来るとの判例が確立しています。
公務員には会社倒産などのリスクは考えらず、退職金を受領できる可能性が高いので、例えば10年程度先であっても、財産分与の対象になると考えられています。
名古屋高裁平成12年12月20日判決は、夫が国家公務員であり、9年後に定年退職するとの事案で退職金を財産分与の対象にすることを認めました。また、東京地判平成13年4月10日は、13年後に定年退職するとの事案で退職金を財産分与の対象とすることを認めました。
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