離婚の同意
夫の精神病を原因に離婚を成立させることはできますか?
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裁判所が認める離婚原因の一つに、「回復の見込みがない強度の精神病」があり、それに該当する場合には離婚が成立します。そのような場合でなくても、精神病が原因で、激しい攻撃(暴力・暴言)を受けている場合には、離婚できる可能性があります。
暴力・暴言を受けている場合には、それらを証拠・記録として残しておく必要があります。暴力によってできたあざの写真を撮っておく、通院した際の記録を残しておく、暴言を録音しておくなど、第三者に証明できるようにしておくことが大切です。
ただし、質問にある“うつ病”に限ると、重度の精神病だと判断される可能性は極めて低いです。配偶者がうつ病になった場合には、むしろ夫婦で生活を補助しなければならないと判断されるので、離婚をすることは難しいでしょう。
相手方の合意がない場合でも離婚を成立させることはできますか?
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相手方の合意がない場合には、残念ながら、離婚を成立させることはできません。
協議が成立しない場合には、素早く調停を申し立てるのが良いでしょう。調停もあくまで裁判所で話し合いをする手続きなので、条件面での調整がつき、離婚の合意がなければ成立できません。ただし、調停を申立て、相手方にも事の重大さを認識してもらうことで、話し合いが進むということもあります。
調停での話し合いでも合意できなければ、訴訟に移行します。訴訟では、裁判所が離婚が認められる原因があるかないかという点で判断されます。裁判離婚に必要な事由は下記の5つの離婚原因に分類されます。( >> 離婚に必要となる事由 )
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 回復の見込みがない強度の精神病
- その他の婚姻を継続しがたい重大な事由
当事者同士で話し合いをしている段階では、感情論が先立って話し合いが進まないことも多々ありますが、弁護士が入ることで、相手方にも弁護士が付き、それぞれが置かれている状況を把握した上で、冷静な話し合いができるケースがほとんどです。
まずは一度、弁護士にご相談されることをおすすめします。
不倫した夫が離婚に応じない場合、どうすれば離婚できるの?
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不倫と離婚理由
夫が「不倫」しているということですね。ここでいう不倫が肉体関係なのか、肉体関係まではないが、交際している関係なのかで少しだけ法律関係が変わってきます。肉体関係があれば「不貞行為」に該当し、それだけで離婚の理由になります。
他方、肉体関係が無い交際関係の場合、それだけでは離婚の理由にはなりにくいのですが、交際によって結婚が破綻している場合は、離婚理由になる場合があります。
離婚の手続き
離婚の手続きには協議離婚、調停離婚、裁判離婚があります。
夫が離婚に応じてくれない場合、協議離婚、調停離婚は難しいと思います。しかし、ご自身の交渉には応じなくても、弁護士などの第三者が交渉すれば夫が離婚に応じるかもしれません。そうすれば協議離婚や調停離婚でも離婚が成立するかもしれません。
どうしても話合いが難しく、協議離婚や調停離婚が成立しないようであれば、裁判離婚ということになります。
姑と不仲になり、夫はなにもしてくれない。離婚出来る?
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戦前の民法には、「配偶者の直系尊属」つまり、夫の親から虐待や重大な侮辱を受けていることが、離婚原因として規定されていました。これはいわゆる「家」制度を前提とした規定でした。
ところが、戦後、憲法が改正され、「家」制度が否定されたことから、配偶者の直系尊属から虐待や重大な侮辱を受けている場合の離婚を定めた規定は無くなりました。家制度が否定された以上、離婚原因は夫婦間の事情に基づいて決めなければならないからです。
では、戦後、親族と不仲になった場合に全く離婚原因が認められないのかというと、そうでもありません。
妻と親族が不仲になったとき、夫が一緒になって妻を攻撃したり、妻が攻撃されているのを知りながら夫が放置した場合に、夫の態度が離婚原因になる場合があります。裁判例の中にも名古屋地裁岡崎支部昭和43年1月29日判決、東京地裁昭和38年5月27日判決など、妻と親族との不和を知りながら夫がなにもしなかった事例や、夫が積極的に不和状態と同調した場合に離婚原因を認めた事例があります。
なお、これらの事例では併せて離婚慰謝料も認められています。
以上のように、姑と不和になった場合、夫の態度によっては離婚が認められる場合がありますし、慰謝料も請求出来る場合があります。
どのくらい別居していれば離婚できるのか?
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しかし、これについては明確な回答がありません。
別居が長期化すれば「破綻」していると評価できる場合が多いでしょうが、結局はケースバイケースだと思います。あえて期間を言うとすれば、平成8年の法制審議会の「夫婦が5年以上継続して婚姻の本旨に反する別居を継続しているとき」にあるように5年がひとつの目安なのかもしれません。
>> 詳しくはこちらなお、3年別居すれば離婚が認められるのですかという質問もよく聞きます。
これも、3年という数字には根拠がないといわれることもありますが、「控訴審からみた人事訴訟事件」(安倍嘉人、家庭裁判月報 60(5), 1-55, 2008-05)という裁判官の方が書かれた文献には「例えば3年プラス1年、マイナス1年という範囲を破綻の一つのおおよその枠として考えるということもありえると思います。」との記載があります。
これを見ると、3年程度という意見も根も葉もない話とは言えないと思います。なお、自ら不貞を行ったなどの有責配偶者からの離婚請求の場合は、相当長期間の別居が求められており、以上の話は当てはまりません。
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