モラルハラスメント(モラハラ)について
モラハラとは
「モラルハラスメント」(モラハラ)とはフランスの精神科医マリー・フランス・イルゴイエンヌが提唱した概念で、精神的虐待、精神的暴力のことです。 モラルハラスメント(モラハラ)は、自己愛性人格障害である加害者が、自分の責任・自分の非を絶対に認めることが出来ないことによって発生します。
モラハラの加害者は、どのような状況に置かれていても、「自分は何も悪くない。悪いのは全部あいつだ」と考えることが出来る特殊な性格の持ち主です。自分の責任を認めることが出来ない加害者の心の中では、むしろ自分の方が被害者になってしまっています。
このようなモラハラ加害者は、「悪いのは全部あいつだ」という独特の思考方法によって、本当は自分が加害者なのに、第三者に対しては自分が被害者であるかのようにアピールします。単にアピールするだけではなく、平気で嘘をつきます。嘘をついた後、自分に都合の良いその嘘を本当のことだと信じ込んでしまいます。
また、被害者との関係でも、自分は悪くない、悪いのは被害者の方だと思わせるように仕向けます。モラハラの被害者の方は、まじめで責任感が強い方が多いので、「お前が悪い」と言われると「自分の努力が足らなかった」「悪いのは自分の方だ」と思い込んでしまうのです。
モラルハラスメントの特徴
モラルハラスメントは、主として「不機嫌な態度」「無視」「冷徹な言葉」「突然の激昂」のような方法で行われます。直接的な暴力や暴言が行われることもありますが、態度やオーラで相手を攻撃していくのがモラルハラスメントの特徴です。おおよそ、次のような傾向があると言えます。
1.自己顕示欲が高い
モラハラ夫は周りから自分がどう見られているかをとても気にされる方が多い傾向にあります。プライドが高く、「仕事ができる」「才能がある」「優秀である」と見られたいと思っています。実際には、世間で「エリート」と呼ばれる方が、モラルハラスメントの加害者になっているケースが多く見られます。
2.自分の非を認めない
モラハラ夫の特徴として、何か問題が起こった場合、自分の非を認めません。 自分が浮気をしたとしても「浮気させるようなお前が悪い」というように相手のせいにしたり、何か問題が起こった際には「俺のおかげで飯が食えているんだろう!」などと話をすりかえる傾向があります。
3.突然起こりだすことがある
突然怒ることがあることも、モラハラ夫の特徴です。そうすることで、自分が優位に立とうとします。定期的に怒ることで、夫婦関係に上下関係をつけたいのです。テレビを見ていると突然「うるさい、テレビを消せ」といった具合に突然怒り出したりします。
モラルハラスメントはわかりにくい
モラルハラスメントは家族内という人間関係の中で行われるため、周囲には気付かれにくいのが一般的です。また、見た目はとても穏やかな人である場合が多く、周囲に対しては「いい夫」を演じているので、周囲にはなかなか理解してもらえないこともあります。
モラルハラスメント事案の困難性
さて、このようなモラルハラスメントの加害者と離婚しようとした場合、通常の離婚とは違う困難が待ち構えています。
まず、話し合いの困難さです。
モラルハラスメントの加害者は、常に自分が正しく相手が悪いと考えています。 ですから、全く話し合いになりません。
次に、第3者にモラルハラスメントを理解してもらう困難さです。 それは、弁護士を探すとき、調停委員に事情を説明するとき、裁判で主張するときの様々な局面で問題になります。
弁護士は、単なる性格の不一致だと決めつけるかもしれません。「あなたがしっかりしないと!」などと叱咤する弁護士の2次被害を受けるかも知れません。
調停委員は、モラルハラスメントの加害者の嘘に同調して悪いのは被害者の方だなどと言うかも知れません。
裁判所では、証拠が足りない、離婚原因がないなどと言われるかもしれません。
そして、法的評価の困難さです。
不貞行為や暴行は違法なことが明らかであり、慰謝料請求を認めさせることも比較的容易です。
しかし、外面(そとづら)が良いモラハラ加害者が、様々な嘘をつく中で、加害内容が「態度」による攻撃である場合、不貞行為や暴行ほどの違法性を認めることが難しいという現実があります。
モラハラを違法だと認めさせるにはそれなりの証拠が必要です。
以上のように、モラルハラスメントの場合の離婚には、通常の場合と違う様々な特徴があります。
我慢せずにまずご相談ください
モラルハラスメントの被害者の多くは「私が間違っている」「私が悪い」と思って我慢しています。
まずは自分が被害者だということに気付くことが重要です。
モラルハラスメントはどんどんエスカレートしていきますし、被害者の方は我慢していてもそれが苦痛となってしまいます。しかも、モラルハラスメントが治る可能性はとても低いのが実際です。
当事務所にはモラルハラスメントで悩まれている多くの方がご相談に来られます。
一人で悩まずにまずはご相談下さい。
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